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エドガー・ケイシー 光田秀さん

ケイシーのことを知ると人生がより豊かになる。

編集長吉田(以下吉田)  初めに自己紹介からお願いできますか。

光田(敬称略) 私はエドガー・ケイシーという人物(コラム参照)の業績を研究して、それを日本に普及するためのいろんな活動をしています。
具体的には、ケイシーが遣したリーディング(注:催眠状態で読み取ったさまざまな情報の記録)の翻訳やケイシーに関する本の執筆、講演活動などを主に行なっています。

ご存知ない方のために簡単に説明しておくと、リーディングは1901年から1944年までの44年間にわたって取られ、1923年以降の記録に残るものだけでも1万4306件あります。

それらは主に、病気の治癒や美容健康に関するフィジカル・リーディング、人間が永遠不減の霊的存な存在であることを示すライフ・リーディング、夢の意味に関する夢分析リー ディング、古代文明やキリストの生涯など特定のテーマに絞って与えられたリサーチ・リーディングに分けられます。

ケイシーのことを知れば知るほど、人生をより豊かに充実できることがわかります。

病気の人はその治療法を知リ、人生に悩んでいる人はその解決の糸ロが与えられ、霊的な真実を探求している人にとっては、その真実を探究する方法が与えられている。こんなにすばらしい人物のことや、彼の残した有意義な業績を知らないでいるのはもったいないという気持ちから普及活動を推進しているのです。

エドガー・ケイシー 光田秀さん

吉田  ケイシーは食に関してどんなとらえ方をしていたんですか?

光田  ケイシーの健康法は、循環(Circulation)、同化(Assimilation)、弛緩(Relaxation)、排泄(Excretion)の4つに集約され、頭文字をとってCARE(ケア)と呼ばれます。 Cは体液や神経の循環、Aは消化吸収、Rは十分な休息と睡眠、Eは毒素の排泄で、この4つがきちんと営まれていれば人間は健康を維持することができる、と。多くの場合、排泄に問題があるので、ひまし油パックで排毒をうながしたり、あとはアルカリ食をすすめています。


オーガニックのお総菜

アルカリ食を中心に酸性食品はひかえめに。

吉田  アルカリ食というのは?

光田  例えば、肉やでんぶん類などの酸性食晶を抑え、なるべく生野菜や温野菜、果物などのアルカリ性食品を摂るということです。

ケイシーは、毎日の食事を酸性食品20%、アルカリ性食品80%にして、水を1日7〜8杯飲むようにとアドバイスしています。また、その土地のものが一番体になじむので、消化吸収に負担になるものや海を越えて渡ってきたものはさけて、近場のものを食べなさい、と。

吉田   それは「身土不二」や「地産池消」と同じ考えですね。環境的にもやさしいし、理屈ではなくて、そのほうが人間の体にとっても望ましいというほうが入りやすいですね。

光田  ケイシーは、第一に食事を通して毒素を排泄することをすすめています。そのためにはオレンジなどの柑橘系の果物を食間に食べることをすすめたりしています。肉でも消化によくない順の筆頭が豚肉、次いで牛肉。肉を食べるのであればラムか鶏肉。シーフードや魚介類はたくさん食べ、ご飯は玄米、無理なら5分づき。パンも精製した白パンではなく全粒粉のものがケイシー食に近いですね。とくに昼食には生野菜をふんだんに摂るのがいい。

吉田  最新の栄養学でも、排泄の時間帯に当たる午前中に生野菜や果物で酵素を十分に摂って、必要量を補ったほうがいいとされていますが、それと一致していますね。

光田  ケイシーは「人間の肉体は生きる神の宮(神殿)である」と言っています。だから食べ物は神に奉げる供物なんですね。
暴飲暴食などで消化器官を酷使すると、次の人生では消化器官を粗末にあつかった影響が生じる。逆に食べることを大切にすると、その良い徳が人生に豊かに現われ、健康な肉体を得られたりするわけです。


人間に存在価値はあるのか?
人生に意味はあるのか?

吉田  その延長線で考えると、健やかな肉体は自然環境が豊かでなくては存在できないわけだから、自分の体をいたわることと環境をいたわることは同じと考えることもできますね。ところで光田さんはどんなきっかけでケイシーを知ったのですか?

光田  私が初めてケイシーに触れたのは大学2年の20歳の時です。父親がガチガチの唯物論者ということもあって、高校生のころから「人間に存在価値はあるのか」「人生に意味があるのか」といったことをずっと考え、悩んでいたんですね。それで実存哲学の本を片っ端から読んだのですが、哲学では自分の生きる意味や価値を見出すことはできなかった。
朝、目覚めるたびに、生きて目覚めたことに落胆し、遺書を家の屋根裏に置き、いつでも自殺できる態勢にしていました。

仏典や聖書も読みましたが、時代が古くて書いてあることにも信憑性が感じられず、私にとっては生きる指針にはなりませんでした。
私は理系なので具体的なデータがないと信じないタイプですが、逆に証拠が示されれば、受け入れるんですね。エドガー・ケイシーのことが書かれた『転生の秘密』(たま出版) という本には、いろんな証拠が示されていて、たくさんの人の前世などの具体例を通して、人生の目的が明確に記されていた。

それからケイシー研究に没頭。大学を終了した後、いったん政府の研究機関に勤めたんですが、どうしてもケイシー研究を続けたくて28歳のときにそこを辞めて、日本エドガー ・ケイシーセンターを発足し、たま出版からケイシーの翻訳書を出すなどして、この28年間ケイシー一筋でやってきました。

ケイシー療法の定番

もっともよく知られているケイシー療法の一つがひまし油湿布。薬草について書かれた古い文献ではひまし油は「キリストの御手」と記されている。腹部へのひまし油湿布は、肝臓や消化器官の働きを高めたり、免疫作用を高めることが証明されており、毒素や老廃物の排泄をうながし、体内浄化を助ける。そのほか、腸内洗浄(コロニクス)や首出しスチームサウナなども代表的なケイシー療法。

自宅でできる温熱パットがついたひまし油セット。

ハーブティも定番の一つ。写真はローズヒップ。


エドガー・ケイシー 光田秀さん

スピリチュアルなことと実生活のバランスを

吉田  私も小学生のころ「なぜ人間は戦争を止めることができないのか」「戦争を起こして人と争うくらいなら早く死んだほうがましだ(笑)」と、自分のエゴばかリ満足させることに 精いっぱいで、社会や世界を平和にすることのできなかった大人に対して怒りをもっていました。

いまは、私もその大人の一員になっているんですが…(笑)。その後、社会人になってからは、環境聞題という側面から「なぜ人間は生きているんだろう」ということにフォーカスしていったんですが、やはりスピリチュアルなことと地に足のついた実生活のバランスがとても大事だと思うんですね。

その点、ケイシーの人生観や健康観は日本人にとってまだ十分に理解されていない感じがするんですが…。

光田  それだけ、われわれにはやるべき仕事がまだたくさんあるということですね。ケイシーが語っている輪廻転生観は、仏教の死生観と本質的な違いはありません。

ただ、私自身もそうでしたが、ケイシーのキリストによる救済観は日本人にとってはちょっとハードルがあるかもしれませんね。

エドガー・ケイシー 光田秀さん

でもその本質は、「信仰によって天国に行く」という単純なものではなくて、「いかにして肉体の束縛から魂を解放するか」「人を愛するという行為を通して霊性を高める」という考え方で、それを最高に極めたのがイエス・キリストだというとらえ方です。人を愛する心は誰にも備わっています。その誰にも備わっている愛という感情を昇華させることで、人を霊的に成長させる道を作ったのがイエスなのです。

吉田  スピリチュアルな世界では、前世で悪いことをしたから、今の人生でつぐなうといった、罪悪感にフォーカスする向きもありますが、ケイシーはそのへんはどのように?

光田  過去の行ないを知っていかにそれを超えるかが重要で、ケイシーはその具体的な方法として「霊的理想」という原理を示しています。誰もが霊的理想を掲げてこの世に生まれてきているのだから、自分の霊的理想を見出し、人生をそこに傾注することで、過去の行ないによって生じた責任を解消しながら、霊的に成長するという原理です。

私の場合はというと、20歳のときにケイシーのことを知って魂が躍動するような感動を覚え、ケイシーの業績を全国津々浦々に知らせたいという霊的理想を見出した。すると、人生が創造的に展開するようになりました。


鉱物や植物の世界との交流を通じた農業を

有機野菜 エドガー・ケイシー 光田秀さん

吉田  本誌のコンセプトも「一人ひとりの癒しは、最終的には地球の癒しにつながる」という考えです。

自分自身を癒すとともに、それがライフスタイルとして反映され、広がっていくことで今の地球環境の癒しにもつながる。そんな楽しい生き方を提案できればと思っています。

リーディングの中に、環境のことや個人の在り方と社会の関係についてのコメントなどはありますか?

光田  環境については当時の相談者たちがケイシーに質間していないため、あまり多くはありません。強いてあげれば、農業もただ機械的にやるのではなく、鉱物界や植物界との深い交流を自覚しながらすぺきである、というリーディングはあります。個人の霊性については、僕の好きなエピソードがあります。

ある人が瞑想でどれくらい霊性が高まったかと聞いたところ、ケイシーはこう答えています。「人間の霊性は瞑想の神秘体験に現われるのではなく、人間関係に現われる」「あなたが人をどのようにあつかっているかに、あなたの霊性は現われる」と。

エドガー・ケイシー 光田秀さん

また、ある健康相談に関してケイシーはこんなふうに言っています。
ケイシーのすすめる健康法を一生懸命にやって、しばらくは順調に回復したのですが、途中で回復が止まった人がいて、その理由をたずねたところ「あなたは治療の機械的な面は一生懸命やったけれど心は昔のままだ。心の在り方を直さなければいけない。あなたは何のために治りたいのか?もしもあなたが、生き方を変えて、自分の人生を通して愛や忍耐を現わそうとするのであれば、治る価値がある」と。

つまり、肉体の健康も、精神的側面・霊的側面と深く関わっており、私たちは肉体・精神・霊のそれぞれを健全に育成することを目指さねばならない。それによってわれわれの人生が豊かになるということです。

吉田  それを「罰が当たるからしなくちゃいけない」というのではなくて、自らが自然体に生きた結果として、欲や執着が必要なくなった、というのが理想だと思います。

いずれにしても、常に自己分析をしながら、瞬間、瞬間を全力で生きることが、そのような揺るぎない生き方につながるということですね。
今日はご自宅までお越しいただいてありがとうございました。


「エドガー・ケイシーとは?」
エドガー・ケイシー(1877-1945)は、催眠状態に入ると超人的な能力を発揮し、さまざまな難病に対して治療法を与えたり、依頼者に関するスビリチュァルな情報を与え、生涯において1万4DOO件以上の催眠透視(リーディング)を行なった。治療に関する原理はのちにケイシー療法として普及。人間の生まれ変わりの原理を明らかにするとともに、夢の活用法や超古代史、新時代への予言、科学工学などに関する情報も残した。「NPO法人日本エドガー・ケイシーセンター」ではケイシーがもたらした情報を会員に提供したり、ケイシー研究を支援する活動を行なっている。

「眠れる予言者エドガー・ケイシー」 総合法令出版発行

「賢者たちのメッセージ」 PHP研究所発行

光田秀さん
みつだしげる1958年広島生まれ。京都大学工学部卒業。同大学院修了後、政府系研究機関での勤務を経て、エドガー・ケイシーを中心に、霊的哲理の研究、翻訳、執筆に専念。
現在、日本エドガー・ケイシーセンター会長。
訳書に「エドガー・ケイシーが示す愛と結婚の法則」(たま出版)他、編著に「賢者たちのメッセージ」(PHP)などがある。

吉田泰章
よしだやすあき1961年群馬県生まれ。ナチュラルスタイル編集長&発行人。明治大学法学部卒業後、クルマ雑誌、スピリチュアル雑誌の編集長をへて、アクアパパを立ち上げ「ナチュラルスタイル」を創刊。沖縄の珊瑚の海を漂っているとき、自然とつながる至福を感じる。

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